みなさんは1995年に公開された『ザ・インターネット』という映画をご存知ですか?

コンピューター・アナリストである主人公の女性が取引先から

「インターネット・プログラムから偶然政府の機密情報を発見してしまった」と相談され、

そのディスクを手に入れたところから命を狙われ、陰謀の渦に巻き込まれていく…

という物語です。

 

世の中はWindows95が出たばかり。

そんな中、ハッキングや主人公の個人情報書換えについて描かれているこの作品、

個人的に衝撃を受けたのを覚えています。

 

この映画の中で、なぜ個人情報の書き換えができたのか?

それは、SSN(社会保障番号)と呼ばれる個人番号の乗っ取りによるものです。

アメリカでは行政での手続きのほか、医療やクレジットカード発行、

そのほか民間のあらゆるサービスでこのSSNが必要となります。

そして、アメリカでは他人のSSNを悪用することによる詐欺被害が非常に多く、

被害総額は年間180億ドルとも言われているのです。

 

日本では、マイナンバー制度が導入されるにあたってこういった被害が起きないよう、

マイナンバーの利用は当面の間次の3点のみとされています。

(1)社会保障

…… 年金の資格取得等、雇用保険手続き、医療保険料など

(2)税金関係

…… 税務署への申告書類・届出書類など

(3)災害対策

……被災者生活再建支援金の支給など

 

企業では、上記についての手続きの際に従業員のマイナンバーが必要です。

例えば従業員給与についての源泉徴収票や、

業務委託等で個人事業主に報酬を支払ったときの支払調書などを

税務署に提出するとき、支払い先の従業員や個人事業主の

マイナンバーも記載しなくてはなりません。

とくに給与の場合は、その従業員の扶養親族のマイナンバーも記載が必要です。

 

つまり、業種を問わず従業員のいる企業は全てマイナンバー制度への対応が

必要となるのです。

 

2016年のマイナンバー制度開始に先立って全員のマイナンバーを把握することに

なりますが、その具体的な時期や取扱いについては次回以降でお話しします。